VPN とリモートデスクトップ
追記
Norton が動いてファイアウォール関係の設定が変わったのか、VPN 経由でのリモートデスクトップができなくなった。 Windows セキュリティの「ファイアウォールとネットワーク保護」で「ファイアウォールを規定値に復元する」を実行してから再び許可されたアプリの設定を行ったところ、接続できるようになった。ただ、以前はコンピュータ名で接続できていたが IP アドレスでしか接続できなくなった。=> NetBIOS?
【Windows 10対応】Windowsでホスト名からIPアドレスを見つける方法:Tech TIPS - @IT
pingもはじかれるようになっていたので許可した。
受信の規則 > ファイルとプリンターの共有(エコー要求 - ICMPv4 受信)規則を有効化
参考:Windows10のping応答の設定
備忘録、Synology の NAS は便利
よくわかっていないので以下では NAS と VPN サーバーを同一視しています。VPN サーバー自体は外部にあるかも?
自宅の LAN 内だけでリモートデスクトップをするなら VPN や NAS は不要のはず。
やったこと
構成
- NAS 兼 VPN サーバー ( Synology の DiskStation, VPS サーバーに対応している機種 )
- ルーター ( おそらくなんでもいいはず )
- PC ( リモートで操作される側, Windows 10 pro 以上必須, home は不可 )
- iPhone ( リモートで操作する側, 今回は動作検証で iPhone を使用しただけで端末は何でもいい。iPad が欲しくなった )
できたこと
VPN を利用すると iPhone は何かしらのインターネット網 ( 4G 回線や出先の WiFi 利用時、公衆 WiFi 等 ) を通して自宅の LAN 内のデバイスにアクセスできるようになる。( 正確な表現ではないと思うが、同じ LAN 内にあるかのように振舞える )
PC が同じ LAN 内にだけリモートデスクトップの接続を許可をしている状態でも iPhone は同じ LAN 内にあるように振舞えるので iPhone でリモートデスクトップが可能になる。
リモートデスクトップをしているときの iPhone のスクショ。通信量が多いようなので 4G 回線でやるのは非推奨。
以下、設定方法
設定方法
設定が必要なもの
NAS の設定
主に三種類の設定をする。
たくさん記事があるのでそちら参照。
オススメ:Synology DS218j で VPN を構築する - Qiita
VPN にはいくつか種類があるが、ここでは「L2TP/IPsec」を使う。
DDNSの設定
ルーターの設定
少しつまずくかもしれない。あまり理解していないので解説できない。1701 はデフォルトではカスタムで設定したような気がする。失念。これを晒していいのかすらよくわからない。
VPN サーバーの設定
設定項目の意味については VPN Server の設定 | Synology Inc. の L2TP/IPSec を参照。ほぼデフォルトで良い。リンク先で下記注意書きがある。
指定した VPN のダイナミック IP アドレスと、VPN クライアント用に割り当てたバーチャル IP アドレスが、LAN 内で現在使用されている IP アドレスと競合しないように注意してください。
これは、図 1. でいうところの 192.168.100.xxx と下図のダイナミック IP アドレスが重複しないようにするという意味。下図のダイナミック IP アドレスはデフォルトで 10.2.0.0 となっていて、10.2.0.xxx と被らないようにする必要がある。
補足:このダイナミック IP アドレスは仮想的なネットワーク内の IP アドレスの役割を持つらしい。知らなくても問題ない。( たぶんこれ、VPN オンラインマニュアル - 3.7 仮想 NAT および仮想 DHCP サーバー )
PC の設定
重要: Windows のサインインに PIN を利用しているとリモートデスクトップができません。パスワードでサインインするように変更してください。 Windows Hello については環境がないのでわかりません。
リモートデスクトップを有効にする
たくさん記事があるのでそちら参照。
オススメ:Windows 10でリモートデスクトップ接続を許可する方法:Tech TIPS - @IT
本人だけで利用する限り「ユーザーの追加」、「グループポリシーの設定」は特別する必要はない。
ファイアウォール経由の通信を許可する
コントロールパネル > Windows Defender ファイアウォール > Windows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可
または
Windows セキュリティ > ファイアウォールとネットワーク保護 > ファイアウォールによるアプリケーションの許可
から許可されたアプリの設定画面に移行して、リモートデスクトップの項目にチェックを入れる。プライベートだけで良い? また、環境によると思われるが「リモートデスクトップ(WebSocket)」と「ルーティングによるリモートアクセス」はチェック不要。
リモートデスクトップで操作できるデバイスを制限する ( しなくても可 )
管理ツールから「セキュリティが強化された Windows Defender ファイアーウォール」を開き、受信の規則「リモートデスクトップ - ユーザーモード(TCP 受信)」のプロパティを変更する。
プロパティを開いてスコープのリモート IP アドレスの「これらの IP アドレス」にチェックを入れて LAN 内の IP アドレスを入力する。
例
「これらの IP アドレス」には図 1. の 192.168.100.1 や 192.168.100.2 のように 192.168.100.xxx と入力する。このように入力すると、リモート操作される側の PC とリモート操作する側のデバイスが同じ LAN 内にあるときに VPN とは関係なしにリモートデスクトップをすることができる。
一方、VPN 経由のみでリモートデスクトップを許可するなら NAS の IP アドレス 192.168.100.2 だけ入力すれば良い。NAS は VPN サーバーとして仮想的なネットワークの IP アドレス ( 図 7. のダイナミック IP アドレス ) も持っているがそちらではない。
iPhone の設定
VPN の構成を追加する
設定 > 一般 > VPN 構成を追加 ... を選択する。
- 「タイプ」を L2TP にする
- 「説明」はなんでもいい
- 「サーバ」は図 5. の「ホスト名」を入力する
- 「アカウント」は図 13. NAS のホーム画面を開くときのユーザー名
- 「パスワード」は図 13. NAS のホーム画面を開くときのパスワード
- 「シークレット」は図 7. VPN サーバーの設定の「あらかじめ共有したキー」
- その他はデフォルト
Microsoft リモート デスクトップをインストールする。
- 「PC 名」は PC の名前を入力する ( Windows の設定 > システム > バージョン情報 > デバイスの設定 > デバイス名 ), 図 1. でいうところの 192.168.100.3 でもいいが自動割り当てにしているなら PC 名のほうがいい
- 「ユーザーアカウント」には Windows にサインインするときの Microsoft アカウントを使う ( Microsoft アカウントがない場合は不明 )
ここまで設定したら iPhone を VPN に接続して RD Client で今追加した PC を選択すれば良い。
そもそも、iPhone が PC と同一 LAN 内なら VPN に接続する必要すらない。
参考
ネットワークがどういう経路でつながっているか調べたい
traceroute(tracert) ~ネットワークの経路を調査する:ネットワークコマンドの使い方 - @IT
VPN 関係
- SoftEther(ネットワーク設定) その3 | りんか IT備忘禄
- 技術的な解説、わかりやすい
- L2TP/IPsec - ネットワーク入門サイト
- RTX1200 で L2TP/IPsec の VPN を構築する - Qiita
- VPN オンラインマニュアル - 11.2 知っておくと有益なノウハウ
- NAT traversal - Wikipedia
- リモートデスクトップの接続・設定 | パソコン工房 NEXMAG
- ホープムーン|Windows10でL2TP/IPSecのVPN接続をする方法
- #初歩からのリモートデスクトップ ~外出先から自宅のパソコンへ接続(IPv4)編 - いまさら聞けないWindows 10のTips - 窓の杜
Windows で L2TP/IPsec の VPN の接続をする場合にはレジストリをいじるのは必須のようで、それは NAT 関係の設定を有効化するためのよう。
メモ
- 図 1. 内に書かれた LAN 内の IP アドレスはルーターが各デバイスに自動で割り振ったもの。
- バッファローのルーターはデフォルトで 192.168.11.1 の IP アドレスが設定されていて、他のデバイスに 192.168.11.xxx の IP アドレスを割り当てる。
- 図 1. 内では 192.168.100.xxx となっているように、値はべつになんでもいい。
- IP アドレスを直接指定する場合があるならルーターでの IP アドレス自動割り当てを利用せずに固定の IP アドレスを利用したほうがいい。
- 10.2.0.xxx と 192.168.100.xxx で通信できるのは レイヤー 3 スイッチのおかげ?